LED通信事業プロジェクト エンジニアブログ

2024年のアクセス数トップ10

記事更新日 2024年12月24日


はじめに

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メリークリスマス!! このブログも早いもので、クリスマスイブにお届けする今回の記事が2024年最後の記事となります。今年2月に、これまで隔週更新だったものを毎週更新しました。だから、今年書いたブログは昨年の倍近い数にのぼります。更新回数が増えて単純にコンテンツも増えたので、ページビューも結構増えました。有り難い話です。大変でしたが、読んで下さった皆様に、心より感謝いたします。

さて、昨年に引き続き、今年最後のブログも今年アクセスされた記事トップ10をお送りしたいと思います。これまで約3年半、100ちょっとの記事を上げてきました。最近は光無線通信のブログと言いながら、光無線通信と関係無い話題も多く、3D CADやら、時事ネタやらいろいろと取り扱っています。そんな中での今年のアクセスランキングとなるわけですが、今年の後半ぐらいから、Googleの検索アルゴリズムが変わったのか、アクセスされる記事がかなり変わっています。そのため、今年前半でアクセスを稼いだ記事と、後半でアクセスを稼いだ記事が入り乱れたランキングとなっています。

というわけで、今年閲覧された記事※1トップ10をカウントダウンで紹介します。もし、ご紹介する記事の中で、まだ読んだことのない記事があったら、是非読んでみてください。それでは、スタート。

2024年に閲覧された記事トップ10

第10位:KiCadでRaspberryPi4用の基板を設計する

掲載日:2024年1月30日

検索用語:KiCAD

週刊化する前の最後の記事が、いきなりTop10に入ってきました。KiCADという基板設計CADについての記事です。KiCADに書いて書いた記事は、ブログ中この記事だけなのですが、それでもランキングに入ってきました。KiCADという単語でのGoogle検索も(他の記事に比べて)そこまで多いわけではないし、Google検索からのクリック数も多くないのですが、それでもアクセス数が多いという不思議な記事です。他の検索サイトからの流入が多いのか、はたまた別のサイトからリンクされていたりしたのか、そこまでは分かりませんが、とにかく不思議な傾向の記事でした。

担当者も味を占めまして、年明け1月中にも次のKiCADに関する新たな記事を投稿する予定なので、KiCADにご興味をお持ちの皆様は、是非ご期待下さい。

第9位:FreeCADを3DCADデータのビューアーとして扱う

掲載日:2024年3月5日

検索用語:freecad, free cad

最近、このブログの中で最も勢いのあるのがFreeCAD関連の記事です。この記事は、その中で最初に書かれたFreeCADの記事です。

FreeCADは、数少ない完全無料の3D CADツールです。触っている方なら皆ご存じと思いますが、3D CADって、基本的にみんな「高い」んですよね。業務用レベルのCADだと、個人向けノーオプションでも年間十万円は普通。オプション付ければ、あっという間に数十万円也。これ、買い取りじゃないですよ。年額ですよ、年額!同じように年額がかかるAdobeのフォトショやイラレと比べてもかなりの高額なので、個人レベルで3D CADを勉強してみる、ってことが結構難しいんです。お試し版が無料と言われても、「使いこなすと年何十万」という未来が見えていると、なかなか手を出しにくい。その中でFreeCADは完全に無料で使えるために、学生さんや、3Dプリンター用に3D CADを勉強したい人とかには、それなりに需要があるみたいです。この記事を書いた弊社の3D CAD担当者に言わせると、「FreeCADは(高価な業務用CADに比べると)操作が洗練されておらず、価格分の差は確実にある」との事ですが、それは会社が料金を払ってくれる「プロ」だから言えること。学生や初心者が学習するには、こういった無料アプリが重要なんですよね。

尚、アクセス数について、もともとFreeCADに対するGoogle検索数は多く、それ故アクセス数も多かったのですが、今年の11/18についにバージョン1.0の「(おそらく)正式版」がリリースされたことがきっかけで、さらに検索数、アクセス数が増えています。そりゃ、最初のリリースから22年経ってついに1.0という正式バージョンリリースですからね。今後もアクセス数が増えるであろうことが予想できる記事の一つです。

第8位:バックホールって何のこと?(2)

掲載日:2022年8月2日

第7位:バックホールって何のこと?(1)

掲載日:2022年7月19日

検索用語:バックホール回線、バックホール、CPRI

昨年の2、3位だった「バックホールって何のこと」シリーズがランクインしました。LEDバックホールという製品を宣伝している割には、そもそもバックホールそのものについての記事を書いたことがなかったなと思い立ち、前後編の長編記事として書き上げたものです。この記事は掲載当初から評判が良く、アクセス数が多かったものの一つです。ちなみに、”CPRI”という携帯電話基地局内の通信プロトコルで検索して、この記事にたどり着く人も多いみたいです。CPRIはニュース等でも話題に上ることが多い「O-RAN(Open-RAN)」でも使われているので、検索する人が多いのかも知れません。でもね、だからといってO-RANの記事はあまり書きたくないんですよね。なぜなら、嫌いだから・・・

しかし、今バックホールと検索すると、こっちのページが上に来てしまい、我々が売りたいはずのLEDバックホールが全く浮上してこないのは、不徳の致すところ・・・ 光無線通信のブログなんですけど。皆さん、LEDバックホールで検索してくれるとうれしいです。

第6位:特別企画:なんで5Gは世界を変えないの?(前編)

掲載日:2023年1月17日

検索用語:5g sub6 意味ない、なんちゃって5g

第6位は、昨年第4位だった「なんで5Gは世界を変えないの?(前編)」です。この記事は前後編で構成されていて、前編が無線技術的な問題点、後編がコンテンツ的な問題点を訴えています。公開当初より、前編の方がアクセス数が多かったのですが、今年に入り、更にその差が広がり前編だけがTop10入りを果たしました。ちなみに、後編は第14位で、アクセス数は前編の三分の一程度。やっぱり、コンテンツ的側面より、技術的側面の方がアクセスが多いようです。また、この記事はベスト10にランクされたサイトの中で、最もエンゲージメント時間(ユーザーが読んでいる時間)が長い記事でもありました。

そういえば、このブログを書いてからおよそ2年が経過していますが、この記事の前後編で取り上げている5Gの問題点が一向に解決される見込みもなく、現在に至っているんです。何も変わらないまま2年が経ち、もはや5Gというものに誰も興味を示していないし、それ故携帯電話事業者の5Gへの投資も低調です(特に、ミリ波)。結局は、端末にしても、基地局にしても、買い換え、交換は必要ですから、今後否が応でも5Gやその先の6Gへ移行していくんでしょうけど、業界としてそんなんで良いのか?という思いは拭えません。

第5位:FreeCADで3Dモデルを作成する-前編

掲載日:2024年3月26日

検索用語:freecad, free cad

第5位は、「FreeCADで3Dモデルを作成する」シリーズの前編が入りました。前中後編という3部作で、構成されていて、それぞれ記事内容は独立しているものの、3つ全て読めば、ある程度3Dモデルが作れるという内容になっています。ちなみに、中編は第15位、後編は第17位と全て上位にランキングされています。

先ほども書いたとおり、FreeCADの検索数は格段に増えており、今後もアクセス数の増加が見込まれるコンテンツです。残念ながら、FreeCADと光無線通信とはほとんど関係ありませんが、(アクセス数稼ぎのために)この光無線通信ブログでは、今後もFreeCADを積極的に取り上げていきたいと思います。

第4位:改めてスプリングワッシャー談義とその他ネジ関連

掲載日:2023年10月24日

検索用語:ダブルナット スプリングワッシャー、ダブルナット スプリングワッシャー、スプリングワッシャー 意味ない

第4位は、スプリングワッシャーについての記事です。先ほどのFreeCADは、光無線通信と直接関係無いとはいえ、部品や治具の設計・製造に使えなくもない、というレベルでの関連性はあります。実際、試作とか実験に3D CADと3Dプリンターは欠かせませんし。しかし、スプリングワッシャーについては、現状光無線通信と、ほんと「全く」関係無いんですよ。だって、光無線通信の機器にスプリングワッシャーなんて一切使ってないし。なのに、今年の年間第4位、しかも、直近3ヶ月ではトップのアクセス数を誇っています。一体どうなっているんだ!

もともとこの記事は、担当者が、とある実験の際にネジの緩みの対策をどうしたらよいか?といろいろ検討していたところから始まります。色々調べ、試し、その知識を元に書かれた記事が、件の記事の前段にあたるネジの緩み対策という記事です。スプリングワッシャーについては、いくつかの論文が発表されていて、この記事の著者が(遅ればせながら)それらを発見したことが起点となっています。

論文の内容を一言で表せば、スプリングワッシャーはネジの緩み防止に全く寄与しない(むしろ緩みやすくなる)ということになります。いやいや、これまでスプリングワッシャーを沢山使わされていたのは、何だったんでしょうか?それにしても、これって本当に衝撃的な事実ですよね?私としては、「妻が腹腔鏡手術の傷に、ガーゼじゃなくてフィルムシートみたいのを貼っていた」のを見た以来の衝撃でした。手術跡と言えばガーゼだったのに、何故か透明テープみたいなものが貼ってある。防水だから、お風呂も普通に入れる。びっくりしましたよ。だけど、今や、絆創膏やガーゼはキズの乾燥を招き、キズを治りにくくする(だから、フィルムとかキズパワーパッドを使え)というのが常識ですからね。今後は、スプリングワッシャーも、絆創膏のように、特定条件下でしか使われなくなっていくのでしょう。

何十年と常識とされていたことが、実は正しくなかったということが発見されるのは痛快ではありますが、自分の信じているものが間違っているのではないかと、やや恐ろしくもあります。でもね、「常識を疑え」なんて口で言うのは簡単ですが、凡人には無理ですよ。頭の良い人が疑って疑って、初めて違う何かが見えるって、そういうものですからね。東大の研究者や世界中の天才医者ですら、何十年も見過ごしていたんですからね。(だから、我々にそんな事求めないでくださいね、という平凡なサラリーマンの願い。)

第3位:CRCってなに? 高校生でもわかる通信用語#2

掲載日:2023年10月10日

検索用語:crc

第3位には、高校生でも分かる通信用語の2回目、「CRCってなに?」が入りました。高校生でも分かる通信用語は、最近冒頭にも書くようにしていますが、「理系の高校生、または文系の大学生でも分かる」程度の内容で通信用語を説明しています。といいつつ、最近の記事は、ちょっと内容が難しくなりつつあり反省しおります・・・ 来年は初心に返って、より簡単な内容にしていきたいと思います。

ところで、この回のテーマはCRCですが、CRCの事だけではなく、なぜ誤り検出が必要なのか、なぜCRCが使われているのか?そんな内容をコンパクトにまとめて書いた記事です。CRCという、これまでは「専門家しか使わない」であろう単語が、結構検索されているんでが、これは高校の情報の授業のせいですかね?今年度から、情報が共通テストで採用されるらしいですから、この記事もそういった子が読んでくれていればうれしいですね。しかし、今の高校生は羨ましい。情報なんて数少ないパソコンオタクが輝ける場所じゃないですか。私の時代にも情報の授業があればよかったのに!(男子校だったので意味はなかったかも知れませんが・・・)。

第2位:AMラジオをやめるってなに? 高校生でもわかる通信用語#4

掲載日:2024年2月13日

検索用語:amラジオ 廃止、amラジオ 廃止 デメリット

第2位は、高校生でも分かる通信用語の4回目、「AMラジオをやめるってなに?」です。これは、通信用語の解説ながらも、実は時事ネタという特殊な構成の記事になっていて、時事ネタ故に結構アクセスを集めたようです。AMラジオ廃止に関して書いてあるサイトは多々あれど、波長のこととかアンテナの仕組みとかまで網羅しているサイトはあまりなかったため、Google検索におけるアクセス率も高くなっているようです。

記事にもありますが、現在は通常の無線ラジオなんてほとんどシーンで必要なくて、radikoの方が便利なんでしょうね。車だって今やコネクテッドカーが基本ですし、無線ラジオが災害時に役立つってだけで、どれだけ維持できるのか。この記事の筆者である私は、radiko開始前の、FM東京※2が単独でやっていた配信アプリをインストールした時から、こうなることはなんとなく予想していました。だって、無線ラジオより聞きやすいんですもの。FM東京のアプリにはキャシュ機能があったので、私は確か3分キャッシュに設定していたと思います。そうすると、当時の通信状況※3であっても、地下鉄でもほとんど途切れず安定して聞けました。一方、当時結構台数が出ていたラジオ電波を直接受信するFMラジオ携帯(FMケータイ)は、地下鉄は言うに及ばず、普通の屋外通勤電車内ですら、途切れ途切れでほとんど使い物にならなかったですからね。

第1位:フレネルゾーンってなに?

掲載日:2022年9月20日

検索用語:フレネルゾーン、フレネル領域、第一フレネルゾーン

そして、栄えある第1位は、昨年同様「フレネルゾーンってなに?」でした。昨年も書きましたが、光無線通信を営業していると良く話題に出る通信用語の一つが、このフレネルゾーンでした。そのために、とりあえず説明用に書いた記事だったのですが、結果としてこの記事は、ほぼ光無線とは関係無く、単にフレネルゾーンを学習したい人が多く閲覧してくれているようです。”フレネルゾーン”という単語自体は、さほどGoogle検索数が多い単語ではないのですが、フレネルゾーンをGoogleで検索した人の約36%がクリックしているらしく、それ故にアクセス数が一番多い記事となったようです。

ただね・・・ FreeCADとかと違って、フレネルゾーンってネタだと、ここから話題が広げにくいんです。アクセス数を稼ぐための関連記事が書きにくい。この記事を読めば一通りフレネルゾーンが理解できるように書きましたし、じゃあ、フレネルゾーンを応用して何かがあるのかと言えば、特に何もない。このままだと、来年はFreeCAD関連の記事に抜かれてしまうかも知れませんね。

2024年作成記事の中でのアクセス数トップ10

過去の記事も含めた総合ランキングではなく、「今年に掲載した記事」の中でのトップ10というものも置いておきます。

この今年の記事の10位が、総合の20位に当たるため、つまり上位20記事の半分は、今年書かれた記事なんですよね。と言うわけで、今年は結構良い記事を書けたのかもしれません。

## 総評

以上、今年のアクセス数トップ10を発表しました。残念ながら、今年は光無線通信と関係無い記事ばかりでした。しかし、光無線通信関連記事のアクセス数が減っているわけではないので、これは全体のアクセス数が増えたからだと思われます。これが、喜ばしいことなのかどうなのか判断が付きかねますが、来年も、技術者として皆様のお役に立てるような記事を書いていきたいと思います。

それと・・・ F#関連の記事は、今年もやっぱり全く読まれませんでしたけど、来年も続けますよ!

というわけで、皆様、よいお年をお迎えください。

(担当M)
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※1; Googleアナリティクスによる2024年1月1日から12月22日までの集計。

※2; 株式会社エフエム東京(通称TOKYO FM)のこと。

※3; 当時は、まだまだ地下鉄駅間で携帯電話の電波が届いていない場所も多かった。現在は、ほとんど解消されている。