1. 主要ページへ移動
  2. メニューへ移動
  3. ページ下へ移動

トピックス

記事公開日

【社内雑談】iPhone 17eも当たり前にミリ波非対応

はじめに

さて、前回まではGoogle Pixel 10aがミリ波非対応という話しをしてきましたが、それとタイミングを合わせるかのように、AppleはiPhone 17eを発表してきました。

我々ミリ波応援隊としてはミリ波対応端末が増えるのを望んでいるのですが、残念ながらPixel 10aはミリ波非対応でした。さて、3月12日に発売されたiPhone 17eはミリ波に対応しているのか?そして、衛星SOSはどうなのか?もう、ミリ波対応端末は出ないのか?懲りずに、我々が予想したいと思います。

予想通りに対応していません

A: 前回まではGoogleのPixel 10aについて話してきました。残念ながら、Pixel 10aはUS版含め全モデルミリ波に対応しておらず、逆に衛星SOSには対応してきていて、ミリ波より衛星という流れを感じずにはいられませんでした。

B: そうだね。その流れは間違いないだろうね。Appleホームページを見ればわかるけど、iPhone 17eも衛星SOS対応も売りにしているからね。

A: やっぱりそうですか。

B: iPhone 17eは、見た目は16eと同じだ。恐らくだけど、見た目が変わらないiPhone SE路線を引き継いでいるのであろう事が分かる。SoCは、Apple A19というiPhone 17シリーズと同じ最新のSoCを引き継いでいる。モデムはApple謹製のC1Xだ。

A: あれ、Apple A19とC1Xの組み合わせってiPhone Airと同じですよね。ということは・・・ Airは全モデルミリ波非対応だったから、もしかして、17eも全モデルミリ波非対応では?

B: 大正解。C1Xモデムはミリ波に対応していませんので、全モデル非対応です。しかし、衛星SOSには対応しています。以上、今回のブログでした。

A: いや、ちょっと待ってくださいよー。これじゃあ、記事になりませんよ。

B: しかたないな。追加情報。iPhone 17eは16eと比べ、ガラスが傷つきにくくなって、ボディーも強くなった。以上。

A: いや、それPixel 10aでも全く同じ事聞きました。

B: 本当に言うこと無いんだよ。だって、Pixel 10aが9aとほとんど変わらない、と言われているのと同じように、iPhone 17eも16eとほとんど変わらないと言われているからさ。

17eは、外観はサイズ含め16eと全く同じだし、OLEDディスプレーもカメラも同じ。変わったところと言えば、SoCが1世代上がったのと、MagSafe対応になったことぐらい?けど、iPhoneはPixelと違ってSoCの世代でできる事が増えるわけじゃないし、あまり話すことも無いんだよ。

A: そうなんですか、もっと違いを探してくださいよ。

B: あ、思い出した。一つ良い点があった。

A: なんですか?

B: iPhone16eから17eでお値段据え置きなのに、ストレージが128GBから256GBに変わった。つまり、実質値下げ

A: それは素晴らしい、このご時世にとても素晴らしいですが、ブログのネタとしては・・・

B: わかったよ。じゃあ、別のミリ波の話しをしますよ。

A: ありがとうございます。

ミリ波普及へ挑戦?

B: 先月、NTTドコモが突如こんな発表をしてきた。タイトルは、「未来も、快適につながるために。先を見据えたドコモの「ミリ波」普及への挑戦」だ。

A: おお、いよいよドコモがミリ波へ本腰を入れてくれるんですね。

B: 中身は読んで貰えると良いけど、まとめると

  • ミリ波は思ったより電波が飛ばなくて、ユーザーも増えませんでした
  • ドコモは技術開発だけじゃ無く、多角的アプローチでミリ波を推進します
  • 対応端末もなかったので、普及を後押しします
  • 先ずは名古屋の"IGアリーナ"をミリ波展示場にします

ということらしい。ちなみに、IGアリーナとは名古屋にある愛知県体育館の後継となる多目的アリーナのこと。昨年夏の大相撲名古屋場所がこけら落とし興業だったのは記憶に新しいところ。

A: ああ、覚えています。琴手計(ことてばかり)兄こと琴勝峰(ことしょうほう)が平幕優勝した場所ですね。

B: 琴手計とは、やたら詳しいね。でもその弟の2代目琴手計もすでに琴栄峰(ことえいほう)に改名して今場所は幕尻で相撲取ってるよって、相撲の話はここまでにして元に戻そう。実はIGアリーナを運営する株式会社愛知国際アリーナの筆頭株主がNTTドコモなので、こういったことができるようだ。

A: そういうことでしたか。

B: で、そのIGアリーナにてミリ波のイベントとして去る2月15日に開催されたのが「Tokyo Girls Collection in あいち・なごや」で、そこでミリ波の体験としてSamsung Galaxy S26 Ultraが使われていた。ドコモの型番としてSC-53Gと名付けられているけど、別にドコモ専売では無くて全4事業者対応だし、Samsung直販からも買える。また、同時にGalaxy S26、S26+も発売されるから、シリーズ3端末同時発売ということになるね。

fig

画像提供:Samsung公式ニュースルーム

A: さすがSamsung。楽天までしっかり対応していて手広い。各社ミリ波を持て余していたでしょうから、やっと対応端末が出ますね。

B: 日本では3機種とも先週3月12日に発売された。奇しくもiPhone 17eと同日。ちなみに、S26 Ultraのお値段は218,900円(税抜き)だ。

A: え?約22万。税込みだと24万円・・・ 折りたたみじゃ無いですよね?

B: 違うよ。UltraはiPhoneのPro Maxと同じカテゴリーのハイエンド端末だ。だけど、実は以前の記事の後半で説明している「ミリ波端末割り」というのがスタートしているから、普通のスマホより15,000円値引きを大きく出来る。一応その割引があれば販売価格は他との価格差は小さくなる。久々の割引対象端末だしね。

A: いや、あれは最大割引の枠の話で、最近は大きな割引で売るスマホって型落ちものばかりじゃないですか。ハイエンドの最新スマホは割引されていません。

しかも、iPhone17 Pro Maxでも194,800円ですよ。それより1割も高いとなると相当買う人を選びます。

B: ちなみに、ミリ波対応で折りたたみのPixel 10 Pro Foldが213,000円だから、それよりもちょっとだけ高い。

A: 考えられる最高値ってことですか・・・ 実際のところ、その価格感でGalaxy S26 Ultraは売れるんでしょうか?

B: さあ?ミリ波の神のみぞ知る。ただ、個人的に言わせて貰うと、US版であればGalaxy S26+もミリ波対応なんだから、ドコモの力でS26+もミリ波対応にしてしまえば良かったのにとは思う。それなら、約17万円となりiPhoneの17 Pro(Maxではない)よりは安くなるんだし、選択肢に上がりやすい。本当は他のメーカーのスマホもあると良いけど、Galaxyだけだとしても2つの中から選ぶぐらいは出来るようにしないと、市場も盛り上がらないよね。

A: ごもっともです。しかし、こうやってみると、なんでアメリカだけミリ波の対応スマホが出るんですかね?別に、アメリカがミリ波の特別な使い方を示しているとは思えないんですけど。

なぜアメリカだけミリ波対応?

B: それは、私も気になって調べたことがあるんだ。ググっても明確に書いているページは見当たらなかったんだけど、どうも総合するとアメリカのスマホ販売方法にありそうなんだよね。

A: スマホの販売方法ですか?

B: そう。アメリカのスマホ販売は、どうやら昔の日本に似ているんだ。端末価格を毎月の電話料金の割引と相殺する、いわゆる「実質0円」販売が力を持っているようだ。これは、低所得で端末価格の一括支払いが出来ない層が使っているということではなく、そうやって分割して初期費用をほとんど無くして買うのが、所得に関係無くあたりまえになっている。それこそ以前の日本のようにね。さらに、契約すれば「スマホ下取り○○ドル」みたいなのも日本以上にやっているから、アメリカでは高価な機種でもスマホが買いやすい状況になっている。

A: そもそも、実質の物価が日米で倍近く違うわけですから、日本だと高くて手が出ないスマホでも、アメリカなら何とかなりそうですね。

しかし、実質0円ってガラケーの頃を思い出します。あの頃は、端末が本当はいくらかなんてわかりませんでしたからね。今のアメリカもそうなんでしょうね。

B: 実質0円が当然となるとどうなるかというと、携帯電話事業者が経営する「キャリアショップ」でスマホを買うことが多くなる。キャリアショップとは日本で言うドコモショップとかauショップのこと。米CIRP(Consumer Intelligence Research Partner)社の調査によると、iPhoneの販売割合は

  • 75%程度がキャリアショップ
  • 15%程度がApple直営(Appleショップ/オンライン)
  • 10%程度がベスト・バイなどの量販店

となっている。つまり、アメリカでは公式オンライン含むキャリアショップが未だ非常に強い力を持っているんだ。

A: 割賦販売がメインだから、キャリアショップが強いんですね。

B: 日本では2019年の法改正により値引き額に規制がかかり、実質0円とか1円スマホとかは難しくなった。さらに、ジワジワと規制が強くなり今に至る。昔の日本は、アメリカ以上にキャリアショップが強かったんだけど、総務省調査だと、キャリアショップの販売割合は一時期40%程度まで下がったようだ。だけど、最近また60%ぐらいまでに回復しているらしい。その理由はまた後で述べるけど、いずれにせよ規制でがんじがらめの今の日本の現状だと、少なくとも最新端末を無理にキャリアショップで買う必要は無い。あなたがさっき言ったとおり、最新機種はどこで買っても値段が一緒だから。

A: 確かにそうですね。例えば、先ほどのGalaxy S26 Ultraのオンラインの価格を見ると、Samsung公式とドコモ公式で全く同じでした。

B: 例えばこんな記事があるように、アメリカの大型家電量販店のスマホ販売は勢いを失いつつあるようだ。わざわざ、家電量販店でSIMロックフリーのスマホを買うのは、ガジェットオタクか海外出張者ぐらいなものとまで言われている。これも、昔の日本と全く同じ。

A: 最近はSIMロックとか気にしなくなりましたね。なんかSIMフリーが当たり前ですし。アメリカは、SIMロック端末が主流なんですね。

B: そうです。まとめると、アメリカはスマホ販売においてキャリアショップが大きな力を持っている、これはつまり通信キャリアがスマホの販売に大きな力を持っている状況であると言えるわけ。

A: キャリアが強い、なるほど。

B: 次に、国の方針。QualcommとかIntelとかのメーカーが、5Gはミリ波の技術だ、とか推しちゃったものだからFCC※1もミリ波を5Gの中心に据えちゃった。その背景には(比較的)使いやすいSub-6を米軍に多く取られていたという事情もあったようだけど、他国、特に中国がミリ波を軽視する中で、アメリカは「ミリ波こそ5G」としちゃったわけ。特に、業界2位のベライゾンはミリ波に全振りしちゃったものだから、後に引けなくなっちゃった。

A: もしかして、それでスマホメーカーにミリ波をゴリ押ししたとか?

B: そのとおり。ベライゾンは「ミリ波で爆速」を売りにした。だから、ミリ波に対応していないスマホはベライゾンショップに置きません、といった圧力をかけた。実際、メーカーによっては今回のSamsungのように松竹梅みたいなシリーズ展開であっても、その中のミリ波対応の端末しかショップに置いてくれなかった、という事例もあったようだ。あのAppleまでもがベライゾンの圧力に負け、ミリ波対応のアメリカ専用モデルが作られたぐらいだ。

A: そうですね。未だにiPhoneはUS版だけ特別だったりしますね。

B: そして、あの「実質0円」販売がここで効いてくる。スマホをミリ波に対応させるとどうしても高くなる。例えば、Google Pixel 4aは499ドルだったんだけど、ミリ波対応モデルだけ599ドルと100ドルも高くなった。でも、アメリカでは「実質0円」なので顧客には価格があまり見えない。もちろん、月々の支払いは若干高くなったんだろうが、36回払いに埋もれてしまえば顧客はそこまで気にしない。

A: いや、よく出来た話ですね。ミリ波をごり押して端末を高くしても、ユーザーには見えないから買ってくれると。ベスト・バイやターゲット※2でSIMフリーを買うと、単に100ドル高いだけだが、キャリアショップで買えば、ミリ波対応も非対応も同じ値段だから気にせずユーザーは買ってくれるし、他社へは流れないと。

B: そういうことのようだ。だから、アメリカだけミリ波対応の端末で、それ以外の国はミリ波非対応なんだ。アメリカのようにキャリアが価格差を吸収してくれる仕組みが無いのなら、ミリ波に対応させたスマホは単純に高くなる、つまり売れなくなるだけだから。

A: なるほど、そんな事情があったんですね。だったら、ドコモもミリ波を推したいなら、ベライゾンとまでは行かないまでも、ある程度補助出してGalaxy S26 UltraだけでなくS26+もミリ波対応にしてくれたら良かったのに。

B: 残念ながら、それはそれで難しい。総務省が発表している日本の端末の販売台数(下図)を見てくれ。2019年の法改正に加えて、円安の影響で端末価格が上昇していて、それと共に販売台数の減少も著しい。ベライゾン含むアメリカのキャリアは売れるから力があるのであって、日本ではメーカーに対する要望も通りにくいんだよ。

fig
日本の携帯電話端末の販売台数と単価
出典:総務省 令和7年度版 情報通信白書

A: こんなことになっていたとは。

B: ただ、最近はちょっと回復傾向。3Gの完全停波による強制買い換えに加えて、「残クレ」スマホ※3が増えてきたから。

A: 残クレって、車と同じように月々使用料を払って何年か使ったら端末返却というあれですか?

B: そう、あれ。車は5年ぐらいのことが多いけど、スマホは2年の事が多いね。残クレを知らない人のためにざっくり説明すると、

  • 正式名称は「残価設定型クレジット」、残価設定型ローンとも呼ぶ
  • スマホを買うんだけど、2年後にそれを売る(下取りする)という前提
  • 最初から2年後の売却価格を端末の購入代金から差し引いて、"残価"分を月々支払い
  • 2年後も使い続けたい人は、残価分をさらに分割払いする

という立て付けになっている。車の場合は車両代金のフルローンが通らない人がよく使うイメージだけど、スマホの場合は単に初期費用を抑えたいか、または2年サイクルの買い換えを繰り返したい人が使うイメージだね。

A: 私、車もスマホも残クレ、イヤなんですよね。なんか、綺麗に使わないといけないという強迫観念があるというか、自分のものではなくレンタルしている感があって。

B: 私もその意見に同意だが、世の中はそうでは無くて残クレしている人が沢山いる。おかげで、ドコモは500億近い減益になった。

ただ、その代わりにスマホの販売台数が上昇に転じてきており、キャリアショップも力を取り戻しつつある。そうなると、ドコモの力でミリ波対応端末を増やす、ということが可能になるかもしれない。

A: その流れに期待したいですね。かつて、キャリアが端末の仕様を決めていた時代もあるのですから、ミリ波対応ぐらい何とかして貰いたいものです。

まとめ

A: というわけで、今回も時間が来ましたので、まとめをお願いします。

B: 最後のポジティブな話をした後でミリ波応援隊としては非常に言いにくいことなんだけど、アメリカにおいても、ミリ波を積極的に推しているのは後に引けなくなったベライゾンだけなんだよね。アメリカのNTTドコモに当たる最大手AT&Tは、ミリ波は使えないと断言していて、今やミリ波のやる気はほとんど無いようだ。そして、当のベライゾンもさすがにミリ波の厳しさに直面していて、トーンダウンしているらしい。

A: そりゃ、厳しいですね。市場の大きい中国はもともとミリ波を無視していますし、なかなかミリ波市場は広がりませんね。

B: だから、US版でもミリ波非対応の端末が増えてきた。それがiPhone 17eであり、Pixel 10aというわけだ。

でも、ミリ波応援隊たる我々ぐらいは、逆張りと言われようともミリ波を推しておかないと。

A: そうですね。ミリ波の新しい使い方が発見されたときに、いち早く察知して動けますからね。

B: それもあるけど、先に言っておけば、もしミリ波が普及したとき「私たちには先見の明があった」と言えるじゃない?

A: そっちですか、承認欲求高すぎです!外れたらどうするんですか?今のところ、外れる可能性の方が高いですよ。

B: 多くの人はミリ波なんて興味ないだろうから、こうやってブログに残しておいて、当たったときだけアピールすればいいんだよ。それ以外の時は、触れなければ良いだけ。

A: 最低ですね・・・

(担当M)

※1; FCC(Federal Communication Commission:米国連邦通信委員会)は、米国の放送通信を規制監督を行う機関。米国国内の周波数の割り当ても行い、携帯電話事業者を管理する立場にある。新しい無線技術の導入は米国発の事が多いため、日本含む世界各国はFCCの決めたルールに倣うことが多い。それ故に、FCCは世界の無線通信に対して絶大な影響力を持つ。

※2; ベスト・バイ(BEST BUY)は世界最大の家電量販店チェーン。ターゲット(Target)はアメリカ大手ディスカウントチェーン。両社とも本社はアメリカミネソタ州にある。

※3; NTTドコモでは「いつでもカエドキプログラム」、auでは「スマホトクするプログラム」、ソフトバンクでは「新トクするサポート」と呼ばれるようなサービスを指す。