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【緊急連載?】ドローン対処機材(カウンタードローン)ってなに? その1

【緊急連載?】ドローン対処機材(カウンタードローン)ってなに? その1 その2 その3 その4

はじめに

多分、皆様ドローンを知らないという人はいないと思います。しかし、実際に持っているとか、飛ばしたことがあるとか、そういった方は意外と少ないのではないでしょうか?これには明確な理由があります。

日本はドローンに対して非常に厳しい国として知られ、ドローンに関する規制が他国と比べてもかなり多いようです。実際、申請して許可を得ないと、街中ではほぼドローンは飛ばせないと言っても言いすぎではありません。ですから、少なくとも日本においてはドローンというものは、誰もが自由に飛ばせるわけではなく、ドローンが身近ではないのです。

その厳しすぎる規制を背景に、今「ドローン対処機材」というものが、色々な場所に広まっているのはご存じでしょうか?英語ではC-UAS(Counter-Unmanned Aircraft System)と呼ばれ、日本では「カウンタードローン」と呼ばれるが多い装置です。以降は”カウンタードローン”と呼ばせていただきますが、そのカウンタードローンが何かを一言で言うと「ドローンを検知、追跡し、場合によっては無力化させる装置のこと」になります。カウンタードローンはドローンに入ってほしくない場所に設置され、早めに検知し、場合によってはドローンを落とす、そういった使い方をされます。ドローンに入ってほしくない場所とは、例えば官邸、国会議事堂、皇居などの国の重要施設、各国大使館、主要な空港などの事を指し、それらの場所はドローンの飛行が禁止されているのですが、カウンタードローンはそのような場所に設置されることが多いようです。

で、普段ミリ波やらiPhoneやら3D CADやらを取り上げているこのブログで、なんでカウンタードローンという畑違いな内容を取り上げているのかと言えば、それは・・・ 会社の指示だからです。ご存じないかもしれませんが、弊社”三技協”でもカウンタードローン機材を取り扱っています。そして、その宣伝のために、会社本体のホームページよりも圧倒的にアクセスの多いこのブログでカウンタードローンに関するブログを書けと命令が下ってきた、というわけです。ボクシングで言えば「指名試合」なわけですね。

ただカウンタードローンのブログを書けと言われても、私は通信こそそれなりに詳しいものの、カウンタードローンや、そもそものドローンの知識がさほどありません。そのため、今回はドローンやカウンタードローンを実際に担当している社員Y氏の全面監修の下、ドローンの現状や、なぜカウンタードローンが必要なのか、そしてどのようにカウンタードローンは機能するのかといったことを、なるべく分かりやすく書いていきたいと思います。

全4回の長編になっておりますが、素人なりの視点で「これを読めばカウンタードローンの全てが分かる」ように書いていきますので、是非皆様お付き合いください。

おことわり このブログでは、一般的なカウンタードローンの技術や機能について書いておりますが、諸事情により弊社が取り扱っている実際のカウンタードローン製品や性能・機能等の説明は一切しておりません(察してください)。申し訳ございませんが、カウンタードローンの製品を具体的に知りたい方は、会社ホームページより担当者へお問い合わせ下さい。

リンク:株式会社三技協ドローン検知・対処機材

DJI

さて、まず何を語るとしても、ドローンについて語るのであれば最初にDJI(でぃーじぇーあい)の話からしなければなりません。というのも、これからの話は、すべてDJIとは切っても切り離せないからです。

DJIとは、2006年に設立された中国深圳市にあるドローン製造企業です。ドローンに少しでも関わった人であれば、DJIを知らない人は一人もいないと断言できる、それほどの会社です。設立たった20年程度でありながら、コンシューマ用途では9割、商用を含めた全用途でも7割のシェアを持つ、ドローンの絶対的王者です。実質的に、DJIはドローン市場をほぼ独占していると言っても過言ではありません。おもちゃレベルの小型のドローンから、人すら運べるほどの大型ドローンまで、ありとあらゆるドローンを製造・販売しており、ラインナップも全方位をカバーしています。それでいて価格は(同等品であれば)他より安いことが多く、今のところDJIの独占が崩れる要素が見当たりません。

そんなDJIなので、例えば、テレビやYoutubeの撮影で使われているドローンはその殆どがDJI製ですし、かのロシアによるウクライナ侵攻においても、両軍ともDJI製のドローンが大量に導入されています。8月に発生した、中国ネパール国境付近における大規模土石流災害においても、捜索・救助にDJIのドローンが活躍していたのは記憶に新しいところです。

したがって、ドローンというと多くの場合DJIのドローンのことを指すことになります。そうなると、カウンタードローンというものも、DJIのドローンに対処する装置という面が非常に大きくなります。もちろん、他社製のドローンにも対処できなくてはいけませんが、何にしてもDJI製のドローンを発見、対処できることがカウンタードローンの最も重要な機能であり、逆に言えばDJIドローンを対処できないカウンタードローンには何の価値もありません。

この先、ドローンの規制や、探知技術などの話題を書きますが、その多くはDJIドローンに対応する話になります。ですので、DJIをほとんど知らないという方は、ドローン業界はそういった”化け物企業”が存在する特殊な業界だということをご理解頂いた上でお読みいただくと理解が深まると思います。

リンク:DJI公式ウェブサイト

ドローンの規制

ドローン規制法

ここからは、日本のドローンの規制について触れようと思います。現在、ドローンの規制に抵触したドローンは、カウンタードローンによって検知され、場合によっては撃墜含む無力化をされることがあります。当然、所有者(操作者)が逮捕されることもあります。では、なぜドローンには逮捕されるほどの厳しい規制があるのでしょうか? その歴史を辿ると、ある事件をきっかけに規制が作られたことが分かります。

ドローンの規制ができたその事件とは、2015年4月に発生した首相官邸屋上ドローン落下事件です。この事件は、元航空自衛隊員の男が、政治的な主張のために首相官邸屋上にわざとドローンを落下させた事件です。この事件の発生時点では、ドローンに関する規制は全く無く、飛ばしたこと自体にはなんの罪にも問われない状態でした。だから、何も警備していないし、対策もしていない。実際、このときの逮捕の罪状も「威力業務妨害」であり、官邸業務を妨害したとして半ば後付けで立件したものでした。この事件の後、こういった事件(≒テロ)の対策が求められ、ドローンを規制するため法律、通称「ドローン規制法※1」が作られたのでした。

この法律は2016年4月に施行されました。ご存じの通り、法案を通し法律にするには時間がかかります。この法律は、普通の法律と違い議員立法で異例な超特急審議で成立したものですが、それでも事件から1年近くかかりました。つまり、事件後1年は引き続き法律も何もない状態が続いたわけですが、その間どうしていたのかというと、この事件に使われたドローンはDJIのPhantomだったため、DJIがこのドローン規制法施行より前に、ドローンが首相官邸や皇居周辺を飛行できなくなる機能(ジオフェンス機能)をソフトウエアアップデートで追加し、自主的に対策を行ったのでした。

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DJI Phantom 3 Pro
古い機体のため(後述の)リモートID対応用の外付けモジュールが取り付けられている

ドローン規制法で最初に飛行を規制された場所は、

  • 国会議事堂、国会議員会館、衆参議長公邸、国会図書館
  • 総理大臣、官房長官の官邸・公邸
  • 総務省・警察庁、外務省、防衛省、財務省、国交省、海上保安庁等の主要行政機関
  • 最高裁判所
  • 皇居・御所
  • 届出があった政党本部(現在、届出は自民、公明、共産の三党のみ)
  • 外国公館(大使館)
  • 原子力発電所

となっています。これらに該当する建物の敷地内はもちろんのこと、周辺のおおむね300メートルも周辺地域とみなされ飛行が禁止されていました。ドローン規制法においては、この「敷地内」と「周辺地域」には明確な違いがあり、一般に「敷地内」を「レッドゾーン」、「周辺地域」を「イエローゾーン」として区別しています。

まずレッドゾーンにおいてドローンを飛ばす場合は、その施設管理者の許可が絶対に必要です。一方、イエローゾーンにおいては、当然規制対象施設以外の土地所有者が存在しますので、対象施設の管理者以外にも、土地所有者の同意を得ればドローンを飛ばすことができます。ただし、レッドゾーン、イエローゾーンいずれの場合も、警察署への事前の通報(いわゆる申請)が必要となります。

また、レッドゾーンとイエローゾーンの違いは、違反したドローンが飛来した場合の対応にも現れます。イエローゾーンで違反ドローンが発見された場合、警察はまず飛行の中止や地域外の退去を命じます。命令に従わなかったり、操縦者が分からなかったり、レッドゾーンに近づいてきて時間的猶予が無いと判断された場合にのみ「実力行使」が認められています。実力行使とは、電波妨害や物理的な破壊(迎撃ドローンやネットガンなど)を指します。一方、レッドゾーンで違反ドローンが発見された場合、確認不要で即時に実力行使してもよいことになっています。

さて、このドローン規制法ですが、現在まで3回改正されています。

  • 2019年の第1回改正で、規制対象に自衛隊施設と米軍施設が追加されました。っていうか、軍関係の施設は最初から入れとけ!という話ですね。ちなみに、この改正では2019ラグビーワールドカップ日本大会、2020東京オリンピックの会場・施設等が期間限定で規制対象に加わっていました。
  • 2020年の第2回改正で、規制対象として主要空港が追加されました。新千歳や成田、羽田、中部、関空、福岡などの主要空港のみです。もともと、空港自体は航空法の方でドローンの侵入が規制されていたわけですが、問題が発生したときに影響の大きい主要空港は更に強い規制対象にしたということの様です。

そして、現行となる2026年7月14日施行の第3回改正で極めてインパクトのある大改正がありました。それはイエローゾーンの範囲が1キロメートルへ大幅に拡大されたことです。300mから1,000mですから、対象面積で言えば (10/3)の二乗 = 約11.1倍に膨れ上がるわけで、これは現場にとって計り知れない影響があります。これまで全く関係のなかった近隣の住宅街やオフィス街まで一気に規制対象が広がりました。他にも、テロ対策として「天皇陛下や内閣総理大臣が一時的に滞在・所在する施設」も動的に規制対象へ指定できるようになりました。天皇陛下の公務日程は事前に把握しやすいですが、選挙期間中の応援演説で全国を転々とする総理大臣の動向までリアルタイムで把握している一般人はいないでしょう。普段飛ばしている場所が「今日だけ突然イエローゾーンになっていた」という事態が普通に起こり得ます。しかも、これまでのイエローゾーン規制は、警察官の退去命令等に従わなかった場合に初めて罰則が科される二段階の手続きでした。しかし今回の改正で「直罰化(即時処罰)」が導入され、事前警告なしにドローンを侵入・飛行させた時点で直ちに犯罪(6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)となります。もはや「知らなかった」では済まされませんので、ドローンを屋外で扱う方はくれぐれもご注意ください。

このように、日本のドローンの規制は、徐々に、そして確実に範囲を広げています。私にはこれが良いことかどうかの判断できませんが、ドローンを飛ばすのはなかなか困難になっているというのは間違いありません。

航空法

これまでは「飛ばしてはいけない」というドローン規制法について触れてきましたが、ここからは航空法、つまり飛行機に関する法律がドローンにどのような影響を与えているかを見ていきましょう。

まず、一番大きいのはドローン操縦の「技能証明」が国家資格化されていることです。これは2022年12月の航空法改正で新たに作られた資格です。それまでの操縦資格というと民間の団体が認定していたものがあったのですが、これを国家資格にしたようです。「無人航空機操縦士」という国家資格で、一等と二等が存在します。二等では人がいない場所での操縦、一等では人がいる場所(都市部や住宅街)での操縦が可能となります。言わば車の普通免許と二種免許みたいなものですが、車と違って「これが無いとドローンが操縦できない」というわけではないことも、実はこの資格の分かりにくさを助長しています。この資格の意味は後で説明しますが、まずドローン操縦の国家資格があることだけ認識してください。

次に大きいのは、ドローンかおもちゃかを分ける重さの定義です。現在の航空法では100g未満の飛行体を”おもちゃ”、それ以上を”ドローン”と呼んでいます。おもちゃであれば、操縦資格とか申請とか登録とか不要で、比較的自由に飛ばせます。しかし、ドローンと見なされた場合は、後程説明しますが申請も登録も必要となります。つまり、誰でも飛ばせるわけではなくなるわけです。2022年6月までは最大200gだったのですが、厳しくなって今は100gになっています。これは実質、DJIのすべての機体がドローンと識別されることを意味するんです。

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おもちゃ扱いのRyze Tech社の"Tello"
約80gのためおもちゃ扱い。DJIの技術基盤を使用しているためDJIショップでも購入できる。

一方、アメリカ、EU含む諸外国では、250gをドローンとおもちゃを分ける閾値にしていることがほとんどのようです。したがって、DJI製造では最軽量※2となる”DJI Neo”や、閾値ギリギリの249gでつくられている”DJI Mini”は、海外では「おもちゃ」と認定されています。最も小さいNeoであっても4K撮影に対応していたり、被写体トラッキング(自動追尾)ができたりと、大概の用途には対応できる高性能機で、とてもおもちゃではないのですが。

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日本ではドローン扱いのDJI "Neo"
Telloより一回り大きな135gのため日本ではドローン扱い。登録番号がテプラで貼ってある(番号一部ぼかし)

さて、100g以上の”ドローン”を屋外で飛ばす場合、国土交通省のDIPSシステム※3への機体登録が義務付けられています。そして、登録番号を取得し、(なんとテプラとかで)登録番号を機体に貼り付ける必要があります・・・ まるで自動車のように。上の小型ドローン”DJI Neo”は販売価格が23,000円ぐらいなのですが、そんな機体でも必ず登録する必要があります。加えて、ドローンは「リモートID」というビーコン信号を毎秒送信しなくてはいけない、ということになっています。リモートIDは、自機の登録番号や、緯度経度、高度、速度などが含まれるパケットのことです。言い換えると、飛んでいる最中は誰でも受信出来る形で「自分の機種、位置」などを送信し続けなければならないというルールになっているってことです。これを破ると「1年以下の禁固刑または50万円以下の罰金」ですからね。1年以下ですから(初犯なら)執行猶予はつきますが、登録していないドローンを飛ばしただけで交通違反とは比べものにならない程重い罰則を課されることは認識しておく必要があります。

そして、ここまで何度か触れていますが、ドローンを飛ばすには事前の「申請」が必要です。これは、先ほどの規制対象地域(レッド・イエローゾーンとか)だから必要ということではありません。飛行地域が住宅街の場合は飛行申請の対象となります。この申請対象になる住宅街をDID(Densely Inhabited Districts)、日本語で人口集中地区と呼んでいます。DIDは、本来国勢調査由来の用語で、

  1. 原則として人口密度が1平方キロメートル当たり4,000人以上の基本単位区等が市区町村の境域内で
  2. 互いに隣接し、それらの隣接した地域の人口が国勢調査時に5,000人以上を有する地域

という定義のようです。航空法によればDIDでドローンを飛行させる場合は事前の申請(と許可)が必要となります。イエロー、レッドゾーンは「警察への事前通報」、DIDは「国交省への申請」と手続きが異なりますので、ご注意下さい。

さらに、DIDでない場所であっても

  • 人工物(民家、車、電柱等)から30m以内で飛ばす場合
  • 地表から150m以上の飛行
  • 夜間飛行(日没から日の出前まで)

も事前の申請が必要です。そして、これらに加えて最大の問題となるのが「目視外飛行」です。

目視外飛行とは、操縦者からドローンが目視できない場所で操縦するケースを指します。しかし、ドローンは操縦者から数メートルと近い場合は目視で操縦しますが、通常ドローンが操縦者と50mも離れたら地上との位置関係が把握しづらくなります。そのため、一定以上の上級者であれば、ドローンを直接見るのではなくコントローラーに映るカメラ画像を頼りに操縦するようですし、皆さんそのための訓練をされています。ですから、ドローンが目視できようができまいが、操縦としてはそこまで変わらないんですよね。

しかし、法的には目視外飛行を実施するのであれば申請をしなければいけません。しかも、目視外飛行を実施する場合は安全対策として補助者(いわゆる監視員)を置く必要があるのです。道路を跨いで目視外飛行しようものなら、跨ぐ道路毎に補助者を置く計画を作って申請しないと許可が下りません。もちろん、柵で囲って飛行区域を立ち入り禁止にするとか、そもそも海の上を飛ばすとかなら補助者なしでも許可は出るようですが・・・ まあ色々と条件は厳しいようです。

ここで、効いてくるのが「無人航空機操縦士」の資格です。この資格があるといろいろな申請がパスできます。例えば、DIDで飛行させる際や夜間飛行をさせる際の事前申請が不要となります。二等の資格があれば、人がいない場所での目視外操縦でも補助者が不要になります。さらに一等の資格があれば、人がいる場所であっても目視外飛行ができるようになります。

じゃあ、ドローンを自由に飛ばしたければ資格を取れば良いじゃないかと素人は思ってしまいますが、そうはならない事情もあります。なぜなら、現状その資格で飛ばせるドローンが「国が認証した機体のみ」だからです。

国による「機体の(型式)認証」を通す条件は結構厳しいようで、様々な安全面の機能が必要になるそうです。そうすると認証にかかる費用(装備・試験)はバカになりません。そのため認証を受けるドローンは高額にならざるを得ず、結果的に大型機種ばかりなってしまいます。実際に、この「認証した機体」のリストを見ると、重量4kg以上の産業用大型ドローンばかり。例えば、農業での農薬散布用ラジコンヘリとか、鉄塔や橋梁、ダムなどの検査用とか、長距離を長時間撮影する固定翼機とか、そんな一般的ではない機体ばかりです。「操縦者の国家資格」と「国の認証を受けた機体」の両方が揃って初めて申請不要となるわけですから、単純に空撮してみたいとか、遊んでみたいとかの用途で無人航空機操縦士の資格を取る人はいないでしょう。でも、重量4kg以下で価格も10万円強と一般の人でも遊べる機種がひとつだけあります。それは・・・ DJI Mini4 Proです。現在認証済み機体の中では段違いに低価格ですので、もし個人で国家資格を取ってドローンを飛ばしたいと考えているのであれば、DJI Mini4 Pro一択になりますね。

というわけで、ドローン規制法にしろ、航空法にしろ、ドローンには様々な規制があって、自由に飛ばす環境にはありません。うちの会社でも業務でドローンを飛ばす機会は少なくありませんが、担当の人間はそのたびに苦労しているようです。業務であっても”苦労”と思うわけですから、「個人の趣味でドローンを飛ばそうとしている人は相当な物好きな人しかいない」のは仕方の無いところです。

一方で、悪意を持った人にとっては、こんな法律全く関係ありません。ドローンは自由に、しかも安価に入手できますし、現代のドローンは操縦資格程の技量が無くとも問題なく飛ばせます。警察や警備員に見つからないようにするためドローンID・リモートID(後述)のようなビーコン機能を無効化するのも、他の犯罪に比べれば難しいことではありません。しかも、重要施設と言っても、地上からの侵入は壁や柵や警備員で防いでいても、空からの侵入に対してはあまりに無防備な場所が多い・・・ 結局、法律でいくら縛ったからと言って悪意のある人は防げません。そんな状況だからこそ、ルールではなく実力で「ドローンを補足し、物理的・電子的に排除する」カウンタードローンという装置が注目されているのでしょう。

次回予告

次回は、いよいよ具体的な話に入ります。最初にDJIとドローン探知の話をします。次回をお楽しみに。

(担当M)
監修・協力 三技協ドローン担当Y

リンク:株式会社三技協ドローン検知・対処機材

【緊急連載?】ドローン対処機材(カウンタードローン)ってなに? その1 その2 その3 その4


※1; 正確名称は「国会議事堂、内閣総理大臣官邸その他の国の重要な施設等、外国公館等及び原子力事業所の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律」。後に改称され 「重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律」となる。いずれにしても長い名称ため、”ドローン規制法”、または“小型無人機等飛行禁止法”と呼ばれることが多い。

※2; DJIが販売しているドローンとして80gのTelloという機体があるが、こちら実際は中国Ryze Tech社開発の機体である。Telloはプログラミングができるなど、もともとは教育用ドローンという立ち位置で販売されていた(現在、教育用モデルは販売されていない)。Telloを除いた場合は、DJI Neoの135gが最小となる。

※3; 国土交通省が開設しているドローン情報基盤システム2のこと。ドローンに関する登録、申請などができる。