株式会社三技協 The Optimization Company

■ソフト開発における文書ドキュメントの重要性とは?David L. Parnas教授、大いに語る。



ソフトウェア工学の世界的権威、David Lorge Parnas教授を当社にお招きし、「Document Driven Software Project Management(ドキュメント指向のソフトウェア・プロジェクト管理)」と題して講演が開催されました。

Parnas教授は、ソフトウェア工学を長年研究され、オブジェクト指向の基礎となったモジュール化されたソフトウェア開発を提唱された方です。またドキュメンテーションの重要性にいち早く着目なさっていました。その40年にわたる経験の中から、ソフトウェア開発プロジェクトの管理における問題点を挙げ、その解決手法として文書ドキュメント化することが如何に大事かをお話しくださいました。

では具体的にどういった問題があるのでしょうか?それは以下のようなものです。

  • 開発者の割り当てが不明確
  • 開発者の作業が不統一
  • 「人月の神話」の影響
      ※ 「遅れているプロジェクトへの要員追加はさらなる遅延を招く」(F.P.ブルックス)
  • 「しわ寄せ」の影響
      ※ ある部分を変更すると、結果として他の部分も変更が必要になること
  • コードのテストや使用時まで発見されない貧弱な設計上の意思決定
  • 非効率的なコード検査、多数のエラーが未検出
  • テストで欠陥が発見されない、重要なテストケースの見落し
  • システムが実際の要件を満たしていない
  • ソフトウェアのメンテナンス、エラー修正、更新の費用が高い

心当たりのある方もいらっしゃるかもしれません。こういった問題は、ソフトウェア開発の要件を、精密で完全、かつ簡潔に文書ドキュメント化することにより解決できると、Parnas教授は説きます。明確なドキュメントによって、必要な情報を必要な分だけ、個々の開発者へ提供することで、無用な混乱や非効率を避ける――当社が掲げる「Optimization」、つまりPBT手法とCyberManualによる「見える化」と、相通ずる点が多々あります。聴講した当社社員達も、大変興味深く聞き入っている様子でした。

講演後のQ&Aでは、「Parnas教授が教えているようなドキュメントを書くためには、どういった経験が必要か?」「ドキュメント作成をどのように指導すれば良いか?」などの質問一つ一つに丁寧にお答えくださり、終始和やかな雰囲気の中、講演が終了しました。

 

関連リンク : Dr. David Lorge Parnas

記事一覧へ戻る

YOUTUBE
セミナー展示会のご案内
ライブラリ
CSR活動
書籍のご案内
お問い合わせはコチラ