LED通信事業プロジェクト エンジニアブログ
北海道宇宙サミット2025出展案内とアンテナ模型修理
記事更新日 2025年10月7日
はじめに
突然ですが、北海道宇宙サミット2025にて三技協グループはシルバースポンサーとして出展します。
宇宙関連領域にご興味のある方のご来訪を、心よりお待ちしております。
| 展示会名 | 北海道宇宙サミット 2025 |
|---|---|
| 開催日時 | 2025年10月9日 (木) 9~20時 10日 (金) 9~16時 |
| 展示会場 | ベルクラシック帯広 〒080-0012 北海道帯広市西2条南35丁目1−27 |
| ブース番号 | 13 |
| 展示内容 | 衛星地上局構築サービス 宇宙機製造/検査/運用サービス サプライチェーンマネジメントサービス |
| 入場料 | 現地・オンライン 無料 (事前登録制) |
以下、弊社HPお知らせより出展概要の引用です。
「北海道宇宙サミット 2025」に参加します
~宇宙ビジネスの現場を支える技術力と人材力をご紹介~三技協グループは、2025年10月9日(木)~10日(金)に開催される宇宙ビジネスカンファレンス「北海道宇宙サミット2025」(主催:北海道宇宙サミット実行委員会)に、昨年に続きシルバースポンサーとして出展します。
■宇宙産業の未来を描く、北海道発の挑戦
「北海道宇宙サミット」は、民間主導の商業宇宙港「北海道スペースポート」を中心に、宇宙産業の発展を目指す企業・団体が集うカンファレンスです。今年のテーマは「北海道は、挑戦の舞台。宇宙を描こう」。
地域と宇宙の融合による新たな可能性が語られる場として、全国から注目を集めています。
(参照:公式サイト)■宇宙ビジネスを支える技術支援サービス
三技協グループは、宇宙機製造や地上通信システムの分野で、長年培った技術と経験を活かし、宇宙ビジネスに取り組む企業の課題解決を支援しています。今回の展示では、以下のサービスをご紹介します。<宇宙機製造関連サービス>
人工衛星の製造からロケット打ち上げ支援・衛星運用までの幅広い領域を、豊富な経験と専門知識を有するチームが技術支援サービスを提供します。
・宇宙機製造 技術支援
・EL対応/EUS発行支援
・超小型衛星 安全審査対応<地上通信システム関連サービス>
衛星通信を支える地上局の構築
・運用支援をワンストップで提供。現地調査から回線設計、運用まで対応可能です。 ・衛星地上局 構築
・衛星地上局 運用支援
・サプライチェーンマネジメント支援宇宙ビジネスにおける課題にお困りの方は、ぜひ三技協ブースにお立ち寄りください。
■リクルートブースにも出展します(10月10日のみ)
今回のサミットでは、宇宙業界に関心を持つ学生や転職希望者向けに、三技協グループのリクルートブースも併設します。宇宙関連事業に携わる技術職の仕事内容やキャリアパスについて、当社採用担当者が直接ご説明します。 宇宙分野でのキャリアを検討されている方は、ぜひお気軽にお立ち寄りください。
それでは本題ですが、宇宙関係の展示会には過去記事で紹介した、自作パラボラアンテナの模型を活用しており、今回も展示予定です。しかし、色々持ち出しているとトラブルも発生するわけで、いつの間にか部品が折れてしまいました。接着剤で補修して使い続けていましたが、修理用のお金を確保したということで部品交換を行うことになりました。
破損したのは長尺の部品と基部を繋いでいる箇所で、現物の形状再現を優先したために負荷が掛かりやすい構造になっていましたので、単純に部品を再製造して交換するのではなく破損しづらいように改良します。
アンテナ模型 交換部品
まずは改良した交換部品の紹介。
元の部品から厚みを0.5mm増加、カウンターウェイト (長尺の部品) 側の凸部を回避する切り込みを縮小し、他にも補強を入れてカウンターウェイトに負荷が掛かった際に折れにくくしました。
また、いつも3Dプリント部品の製造を依頼しているDMM.makeにて、PA12WホワイトというPA12の白色版がリリースされていたので、今回は白色で依頼してみました。
カウンターウェイトは2本とも元の部品を流用しますが、交換部品の切り込み部寸法が変わったため、そのままでは取り付けできません。干渉しないように、当該部位を切り取ります。
ニッパーでパチパチと大まかに切り取った後、カッターとヤスリで形状を整えるだけなので、作業自体は難しいものではありません。ヤスリで削る際に表面の塗料を落としてしまっても、部品同士が向かい合う面なので目立ちませんし、手早く進めてしまいます。
カウンターウェイトとの嵌合確認が完了したので、交換部品に塗装を施します。
アスペンラッカースプレーのシルバーグレーを吹いた後、同ツヤ消しクリアでトップコートしました。下地が最初から白になったことで、薄く吹いても白系統の発色が良く、塗装時間を削減できるので非常に楽ですね。
また、将来的に再度破損したときのため、予備部品としてもう1個同じ部品を作りました。下図では向かって左が未塗装、右が塗装済みです。PA12Wホワイト未塗装の状態では、若干青みがかった白という印象です。単純に白色の材料といっても、素材によって色味が全然違うので、気になっている方の参考になれば幸いです。
破損した部品の交換
既存部品の加工と交換部品の塗装により、下準備が完了しました。ここからはアンテナ模型を分解して部品交換を行います。
まずは可動軸兼固定用のM3ボルトに被せているダミー配線を抜いた後、露出したM3ボルト2本を抜き、破損したコの字状の部品を開きながら上下に分割します。
次に、M2ボルト・ナットを6式外し、ダミーの配線を留めている結束バンドを切り、破損した部品を外します。
どうしてこんな面倒な構造にしてまで形状再現にこだわったんだ……と、設計した当時の自分を恨むばかりです。
破損した部品が外せたので、交換部品を組み込んでいきます。
コの字状の交換部品をM2ボルト・ナット6式で締結し、ダミー配線を結束バンドで留めます。
交換部品を若干開きながら土台部分に戻し、M3ボルト2本を取付けた後、ダミー配線基部を圧入します。
最後に、カウンターウェイト2本をM2ボルト4本で締結して再組み立て完了です。
今回破損した部品について、カウンターウェイト周りの形状を優先した結果の破損であり、各部ボルト固定も含めて模型的なデフォルメを入れた方が無難、ということを実感せずにはいられません。
自社内での出来事だったので何とかなりましたが、お客様向けの設計で構造的欠陥を抱えることにならなくて命拾いしました。
修理完了
再組み立てが完了したパラボラアンテナの全体像です。
折れた部分が治っただけで、形状そのものが変わったわけではないので、見た目の変化はないですが、無事修理完了です。社名等を記載するスタンドが欲しいとの要望をいただきましたので、アクリルの端材を切り貼りして作ったスタンドを添えました。
後日、出展チームよりスタンドにラベルを貼り付けたとの連絡を受けました。銘板的なものがあると、存在感が増しますね。
模型はラベルに記載の通り、1/10スケールで作っています。工事チーム人員をシルエット化したスタンドを用意し、サイズを比較できるようにするのも面白いなと思いました。そのような改修も追々進められたら良いな、と検討中です。
まとめ
以上「北海道宇宙サミット2025出展とアンテナ模型修理」でした。
今回は模型本体の破損した部品を交換修理しましたが、記事には載せていないアクリル製のケースもバキバキに亀裂や欠けが生じているんですよね……再調達や別のケース調達を検討中です。
別案件でも修理しないといけないものを抱えており、こちらも修理記録を記事化する予定です。
それでは、今回もご拝読いただきありがとうございました。









