LED通信事業プロジェクト エンジニアブログ

LED Backhaul 三脚での仮設

記事更新日 2021年9月15日


はじめに

LED Backhaulは本体底面にM5とUNC1/4の雌ねじ穴を持ち、汎用的な監視カメラ用台座やデジタルカメラ用の三脚に取り付けることが可能です。
エンジニアブログ第7回に掲載した社内実験の様子では、汎用的な監視カメラ用台座を用いてメタルラックに固定していました。 今回は仮設に向いたカメラ用の三脚を用いて設置する方法について紹介します。

三脚仮設に用いる機材

・耐荷重3kg以上の三脚
LED Backhaulは重量が約3kgありますので、転倒防止のため耐荷重3kg以上の三脚を用意してください。
弊社では大手三脚メーカー製の一般的なカメラ用の三脚を使用しています。耐荷重や安定性と運搬製はトレードオフの関係にありますので、用途や利用シーンに合わせて選択してください。

図1
図1:三脚仮設

・方向調整用の微動雲台
微動雲台を三脚とLED Backhaulの間に挟むことで、微妙な方向調整を容易に行うことができます。
三脚に標準装備されている自由雲台や3way雲台でも方向調整は可能ですが、固定の際レバーを締め込む強さで向きがズレるため、ズレる位置を予測した調整が必要です。一方で微動雲台 (とくにロック機構を持たないもの) は時間経過や振動で方向調整ネジが微妙に動いて向きがズレてしまうので、使用する環境にもよりますが2~3日毎に再調整可能な範囲での使用が望ましいです。

図2
図2:微動雲台

・AC100V供給可能なバッテリー
仮設する箇所にAC100Vの商用電源が確保できない場合は、AC100V供給可能なバッテリーを用意してください。
弊社ではAnker Powerhouseを使用しています。 運搬時に各種給電ポートの起動ボタンが意図せず押されてしまい、バッテリー残量が消費されてしまうことがあったので、ボタン周囲には3Dプリンターで製造した山を取り付けて防御できるようにしています。

図3
図3:バッテリー

・SNR確認用PCまたはAndroid端末
信号対雑音比 (SNR) や通信速度を参考に、最も良い方向にLEDBackhaulが向いているか確認するため、専用アプリをインストールしたPCまたはAndroid端末を使用します。方向調整の際LEDBackhaul上部に搭載するスコープをしっかり調整することで、端末無しで方向調整を完了することも可能です。

各種機材の設置

以下は先程の機材を組み合わせ、三脚仮設を行っている風景です。

図4
図4:三脚仮設 (手元側)

架台を用意することでLEDBackhaulを恒常的に安定して設置することができますが、実験やイベント用に一時的に使用したい場合、このように三脚やバッテリーを用いて短時間で簡単に無線通信環境を構築することが可能です。
迅速な設置が可能な三脚ですが、ラック固定や構造体への固定ほどの安定性は得られないため強風や接触による転倒のリスクが伴います。常に人が機器周辺に居ない用途の場合ですと、人の出入りの少ない場所への設置やカラーコーンによる注意喚起、三脚へ重り追加といった転倒対策が必要になるかと思いますが、今回の記事が利用方法考案の一助になれば幸いです。