LED通信事業プロジェクト エンジニアブログ
DIPSでドローン飛行申請
記事更新日 2024年11月26日
はじめに
担当者別の更新周期の関係で間が空いてしまいましたが、以前の記事では中編として申請前の準備第二弾、操縦者の登録や登録した機体の情報追加について書きました。
今回はようやくドローン飛行申請についての記事となります。前段階が長かった……
簡易カテゴリー判定
飛行申請を行うため、簡易カテゴリー判定を行います。
DIPSトップページから「航空法に基づく無人航空機関係手続きの一覧」の左側「特定飛行を行う場合の手続き」から「飛行許可・承認手続きへ」をクリックします。
飛行許可・承認メニューの「飛行許可・承認の申請書を作成する」の欄から「新規申請」をクリックします。「簡易カテゴリー判定をはじめる」というページが開くので「次へ」をクリックし、カテゴリー判定に必要な設問に答えていきます。
人口集中地区に指定されている三技協 横浜事務所敷地内で、人・物件から30mの離隔距離を取れない環境で飛行したい。また、パイロットの他に補助員を立てて安全確保して飛行させるという意図の元飛行申請を行っていますので、該当する項目を選択して次へをクリックして設問を展開していきます。
30m係留紐は用いず、第二種機体認証や二等無人航空機操縦士資格は有していないので、該当する欄は「いいえ」を選択します。
飛行申請を行う機体はPhantom4とAir3で、ともに25kg未満 (Air3に至っては1kg未満) の機体ですので、最大離陸重量の欄は「はい」を選択します。
全て選択が完了後に「次へ」をクリックすると、簡易カテゴリー判定の結果が表示されます。「飛行許可・承認申請へ」をクリックして、当該申請の概要を記入する画面に移ります。
こちらの簡易カテゴリー判定、カテゴリーIIBに該当するはずがリスクの高いカテゴリーIIAと判定されてしまう症状があるそうです。先程入力した条件でもIIBに該当する内容かと思いますがIIA表記……ユーザー側ではシステムの問題に対抗する手段がないので、気にせずにそのまま進めます。
飛行概要の入力
飛行概要画面に移りましたら、設問1~5に回答していきます。
設問1「Ⅰ.飛行の目的はなんですか?」については、今回の申請は業務で行う飛行のため「1.業務」の欄から、操縦技術の維持も兼ねていますが主な理由が空撮ということで「空撮」を選択しました。
設問2「Ⅱ.立入管理措置はどのように行いますか?」内の「立入管理措置」については、簡易カテゴリー判定で入力した内容と同様の「補助者の配置」が自動的に指定されていますので、そのまま進めます。
設問3「Ⅲ.飛行許可が必要な理由」については、「1.禁止されている次の空域を飛行するため」の欄内の「③人・家屋の密集地域」が選択されています。直下にある飛行利用は「飛行の目的と同じ」を選択します。
空港等周辺や地表・水面から150m以上の高さの空域での飛行は行わないので「2. 1で①または②を選択している、・・・」「3. 1で①または②を選択している場合は、・・・」の欄は空欄のまま進めます。元よりグレーアウトして入力できませんので……
画面キャプチャは別ページになってしまいましたが「4.禁止されている次の方法で飛行するため」の欄は「③人・家屋から30m未満」が予め選択されていますので、飛行理由は先程と同様に「飛行の目的と同じ」を選択します。
設問4「Ⅳ.年間を通じて飛行しますか?」については、今回は年明けから2024年度の年度末までと期間を区切った申請を行うことにします。日付入力欄の開始日に「2025/01/01」を、終了日に「2025/03/31」を入力します。
また、イベント上空での飛行を行うわけではないので「催し場所上空の飛行等・・・」の欄は空欄で進めます。
設問5「V.飛行する場所はどこですか?」については、三技協 横浜事務所敷地内という特定の場所で飛行申請を行うため「特定の場所・経路で飛行する」を選択します。
上記入力が完了したら「次へ」をクリックし、飛行エリアの詳細を入力する画面に移ります。
飛行詳細の入力
飛行詳細画面に移りましたら、設問1~2に回答していきます。
設問1「Ⅰ.飛行を予定している場所はどこですか?」の「Ⅰ.飛行場所」については、住所を具体的に入力します。今回の場合ですと、弊社横浜事務所の住所である「神奈川県横浜市都筑区池辺町4509」を入力しました。
「2.飛行経路の地図・・・」については後述しますので、一旦飛ばして「Ⅱ.申請先はどこですか?」の欄に移ります。「1.申請先」については、神奈川県は東京航空局管区ですので「東京航空局」を選択します。
似た名称の東京空港事務所または関西空港事務所は「空港等周辺、緊急用務空域及び地上又は水上から150m以上の高さの空域」での飛行を行う際に申請先として指定します。
それでは、先程飛ばしました「2.飛行経路の地図を作成してください。」についての入力を進めていきます。
まずは「選択」をクリックしてマップを展開します。マップ上部の虫眼鏡マークをクリックすると展開する住所入力欄にて住所を入力すると指定場所まで飛べます。毎度のごとく弊社住所を入力して指定場所に飛んだ後、最大までズームしました。
次に、飛行する範囲をマップ上で指定します。
「飛行経路/飛行範囲」をクリックするとサブメニューが展開するので、四角形のアイコンをクリックした後、マップ上で頂点を指定していきます。頂点の指定と削除は行えますが、指定後に頂点を移動させることができないので、複雑な範囲指定となるとマップとにらめっこすることになります……
複数頂点の指定により範囲指定が進み、既存の頂点上でクリックすると、網掛け部を閉じて範囲指定を終了できます。ここでは弊社の敷地内を取り囲むように範囲指定しました。
マップに注釈を追加します。
「補助者等を配置」をクリックした後、先程の指定範囲内でクリックしてピンを配置します。補助者による立入りの管理や通行人への周知を行うため、横浜事務所の出入り口にピンを配置しました。
また「テキスト」をクリックするとサブメニューが展開するので、テキストボックス内に注釈内容を入力し、マップ上でクリックすると入力したテキストを配置できます。三技協敷地内でのみ飛行させること、目視内飛行に限った飛行を行うことを強調しました。
テキストの内容について特に修正指示等を受けたことはありませんが、不用意な飛行を行わないことをアピールするため、飛行申請の際には保険として記入しています。
上記内容がマップ上に入力できたら、マップ右側上部にある「保存名称」下のテキストボックスに任意の名称を記入して「保存」をクリックすると、飛行経路を保存できます。
ひと目見て何を意味しているのか把握できれば良いので、今回は「三技協敷地内」という名称で保存しました。<br.
保存をクリックするとマップウインドウが閉じるので、元の飛行詳細から「次へ」をクリックして機体・操縦者概要のページに移動します。
この際「2.飛行経路の地図を作成してください。」の欄がマップを展開する前後で変化がないかと思います。マップ情報は保存されているものの、ページ遷移を伴わない場合変化が無いだけですので、注釈に記載の通り一度中断した後に同ページに戻れば、先程の保存名称で保存された飛行経路が確認できます。
機体・操縦者概要の入力
機体・操縦者概要の画面に移りましたら「Ⅰ.機体情報一覧・選択」から「機体選択」をクリックします。
「機体情報選択・一覧」というウインドウが展開するので、飛行申請を行いたい機体を選択します。これまで時間を掛けて説明してきた機体登録や追加情報が、ここでようやく活きてくるわけです。
事前に登録してある機体を本ウインドウから選択します。
「全選択」と表示されている箇所をクリックすると登録済みの機体一覧が表示されるので、一覧からAir3またはPhantom4をクリックして選択した状態で、右側にある「機体追加」ボタンをクリックします。1機種ごとに選択と機体追加のクリックを行い、Air3とPhantom4の両方が表示されている状態にします。
この状態ではまだ機体の情報が不足しています。追加した機体一覧下部に横スクロールバーが表示されていることにお気づきでしょうか?
横スクロールバーを右端まで移動させると「追加基準」というボタンが現れます。このボタンを押すとさらに「機体 追加基準適合」というウインドウが展開します。
まずはPhantom4の場合ですが、資料の一部を省略することができる無人航空機(令和6年4月19日付)に含まれる機体ということで「プロペラガードを装備して飛行させる。」にチェックを入れ、下部にある「登録する」をクリックするだけで完了です。接触時の被害を軽減する能力が、プロペラガード装着により担保されることがすでに確認済みの機体ということで、プロペラガード装着時の写真添付も不必要です。以前書きましたが、この省略については「※上記資料に掲載する無人航空機に係る申請において書類の一部を省略可能とする運用は令和7年12月に終了します。」とのことですので、それまではひと手間削減できます。
Air3の場合は先のリストに含まれないので「プロペラガードを装備して飛行させる。」にチェックを入れた上で「資料及び写真等」下部の「選択」をクリック、プロペラガード装着状態のAir3の機体写真を添付して「登録する」をクリックします。
これでAir3・Phantom4ともにプロペラガードを装着し旨を追加基準として登録できましたので「機体情報選択・一覧」ウインドウ下部の「登録」ボタンを押して飛行申請を行う機体を確定し、機体・操縦者概要の画面に戻ります。
機体・操縦者概要に戻ったら「Ⅱ.操縦者情報一覧・選択」の欄にある「操縦者一覧」をクリックすると「操縦者情報選択・一覧」というウインドウが展開します。
機体の選択と同様「全選択」と表示されている箇所をクリックすると登録済みの操縦者一覧が表示されるので、今回の飛行申請でドローンを操縦する操縦者を選択します。
筆者の名前をクリックして選択した状態で、右側にある「操縦者追加」ボタンをクリックし、操縦者として登録します。
操縦者の登録が完了したら、「操縦者情報選択・一覧」ウインドウ下部の「登録」ボタンを押して操縦者を確定し、機体・操縦者概要の画面に戻ります。
機体・操縦者情報の登録が完了したら「Ⅲ.使用する飛行マニュアルを選択してください」の欄に移動します。
「1.使用する飛行マニュアルを選択してください。」については「航空局標準マニュアル01」を指定しています。
航空局標準マニュアルは随時内容が更新されているとのことで、マニュアルはこちらから確認できます。飛行させたい内容が内容更新に伴いマニュアル違反とならないよう、申請前には必ず目を通しておきます。
航空局標準マニュアルでは風速5m/s以上では飛行させないことが求められ、機体の仕様としての耐風速からはかなりマージンを持った値が指定されています。もう少し強い風が吹いている環境でも飛行させたい場合、風速の値を書き換えた独自マニュアルを作成し「4.マニュアルを個別に作成している場合は下記の内容を確認してください。」にてアップロードする作戦も要検討です。
飛行マニュアルの指定まで完了したら、ページ下部の「次へ」をクリックします。
その他詳細等入力画面と申請内容確認
いよいよラストスパートです。な、長い……
その他詳細等入力画面に移動したら、1~6の項目に記入していきます。
「Ⅰ.第三者賠償責任保険に加入している場合は入力してください。」については、加入保険の補償内容や無保険の場合の賠償能力について入力します。弊社保有のドローンについては、エアロエントリー株式会社が提供するDJI公認ドローン保険のプランB (1事故あたり10億円まで補償) を契約していますので、各項目に記入していきます。
「Ⅱ.緊急連絡先を確認してください。」の欄には、緊急連絡先として筆者の連絡先を入力しています。
「Ⅲ.受け取る許可書の形式を選択してください。」については「電子許可証」にチェックを入れておきます。
「Ⅴ.その他特記事項」については、マニュアル記載内容と重複しますが安全に配慮している旨を記入しておきます。おまじないみたいなものです。
「Ⅳ. 変更申請の申請概要」「Ⅵ.添付ファイルの追加」については今回無関係なので空欄のまま進めます。
上記内容の入力が完了したら「次へ」をクリックし、最終確認画面に移動します。
最終確認画面である「申請書情報管理 / 申請書内容確認」へと移動しました。
各ページで入力した内容を元に申請用の様式へと編集されたドキュメント類を確認できます。内容に間違いがないことが確認できたら、ページ下部「申請書の内容は間違いありませんか?」にチェックを入れ「申請する」をクリックして飛行申請を行います。
飛行申請が完了すると、処理結果という画面が表示されます。
以降、申請については飛行許可・申請メインメニューの「申請書一覧」から表示することができます。
図では2件の申請が表示されていますが、No1は別件で上げた申請で既に受理されている申請です。今回記事として申請したのはNo2で、記事更新時点では未受理の状態です。
申請後、DIPSから「審査終了通知」というメールが届くと、晴れて申請が受理されて電子許可書がDL可能になります。一方、申請後内容に不備が見つかった場合、DIPSから「補正指示発行通知」と記載されたメールが届きます。先程の申請書一覧から該当する申請の内容を開き、補正指示に従って修正を行います。
まとめ
以上、DIPSでドローン飛行申請でした。
後編となる今回、ついに飛行申請について言及できました。まとめてみると図だらけになってしまいましたね……
飛行開始日の10開庁日前までに申請を行うことが求められていますが、思わぬところで補正指示を受けることもあります。不慣れな間は1ヶ月程度余裕を見て申請を行うのが安全と、巷でよく言われていますが本当にその通りで、申請内容の確認をしていただいてる方には非常に申し訳ないのですが、このような申請は習うより慣れろな側面もありますので、修正前提で申請を早めに上げることが成功への近道だと感じます。
それでは、今回もご拝読いただきありがとうございました。