株式会社三技協 The Optimization Company

2016.05.19

■地域と歴史懇談会 ~歴史をつうじた文化産業育成の取り組み

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2016年3月15日、三技協MIRAIMAで【地域と歴史懇談会】が行われた。 歴史を絡めたそれぞれの分野で研究を進める二人のゲストスピーカーによって、東京を始めとする各地の“今と昔の物語”が披露された。  遊びゴコロある“歴史好き”が集まった座談会は、文化的事業を牽引するプロが目指す日本活性化のストーリーに大いに沸いた。

■東京に本物の江戸城を復元させよう!

photo確固たる信念を持って唱えるのは、『甦れ!江戸城天守閣』(ヨシモトブックス)の著者でもある、松沢成文参議院議員だ。この日は、「議員としてではなく、一歴史ファンとしての参加」と自ら前置きし、日本人の近現代史教育の不足を訴えた。その言葉の裏には、もっと自分の国の現代に至る成り立ちに興味を持ち、その上で世界の人と向き合い未来を創って欲しいという、日本の若者へ向けた願いが込められていた。

 松沢氏が長年の研究によって示した「江戸城天守閣復元構想」は、当時と同じ木造建築で再現させようというものだ。現存する日本最古の木造建築物である法隆寺のように、何百年も維持し続けた木造建築物は歴史的価値を生む。経済都市東京に不足している“歴史と文化の象徴”を示すことができるのだ。

 しかも、これらは税金を使って国が行うのではない。その地に暮らす人々が、自分たちの町の発展のために自ら動き、お金を集め実現させることに意味があるという。

 さらに、江戸城の復元は、日本各地の天守閣復元の呼び水にもなる。耐震対策に迫られた鉄筋造りの天守閣が木造復元できれば、観光業をはじめ各産業への大きな経済効果を生む。全国の城下町は、経済基盤の強い町づくりの主役になるはずだ。

iPadをかざして100年前の日本橋にタイムトリップ!

photoそう言って会場に楽しそうな予感を醸し出したのは、もうひとりのゲストスピーカー大村 卓氏だ。 大村氏は、株式会社フジテレビジョン シニアマネージャーとして、「タイムトリップビュープロジェクト」の敏腕プロデューサーたちと共に、映像を中心とする数々の作品を披露した。
 「過去に行ってみたい」という普遍的な願いを叶えるべく制作された「タイムトリップビュー」。江戸時代の日本橋の風景と当時の人々が行き交う様を、現代の同じ場所から見ることができる。過去の資料を紐解き、細かい検証に基づいて江戸の町を再現し映像化させている。実際の場所で現代の景色と比べて見るところに、あたかも“時空のからくり”が存在しているかのような錯覚を味わえる。
 そして、世界文化遺産に登録された長崎県の軍艦島でも、違う形での「タイムトリップビュー」を実現した。4K配信された映像には、廃墟と化した軍艦島の姿が鮮明に映し出された。過去の写真や映像から、軍艦島がかつてどのような場所であったかが想像できる。
 さらに、東京オリンピックの会場となるお台場も、そのルーツを映像で辿った。ペリーの黒船襲来以降、台場が江戸の町を守るため幕府が築いた海上要塞であったことは、歴史ファンでなければ知る人は少ない。軍事施設であった場所も2020年には平和の祭典の舞台となる。

photo日本橋、軍艦島、台場。それぞれの“今ある姿”からそのルーツを丁寧に探り、“昔の姿”を最先端の映像技術で表現した秀作ばかりだった。
 現代と過去の景色の比較は、文化・産業の歴史を浮き彫りにさせる。
 歴史資料としても大変興味深いが、日本を訪れる観光客に向けたコンテンツへの展開など、時間をさかのぼると見えてくる様々なストーリーは、今後多様な企画で提供されていく。

地域と歴史をつなぎ、文化を呼び起こせ!

2020年に向け、外国人観光客は増大の一途だが、東京の魅力はまだ引き出せていない。これからの時代、すべての産業活性化につながる観光業に力を入れていく必要があると松沢氏はいう。
経済成長だけで文化のない都市は人を惹きつけない。
そういう意味では、東京はまだその魅力を出し切れていないのかもしれない。
 今回の座談会では、経済都市に埋もれた文化を歴史的側面から呼び起こす具体的な活動が紹介された。 繰り広げられた、各地の“今と昔の物語”に感銘を受けたことは勿論だが、同時に文化産業育成という社会課題に対する徹底した開発姿勢をもうかがい知ることができた。
 情報過多な時代、人々の心にメッセージを残し続けていくためには、共感とインパクトを備えたアプローチが必要だ。それを具現化する“伝達領域”において、通信の最先端技術が担う役割は大きい。
私たちがやるべきは、これまでの経験と技術をもとに、革新的な通信サービスを開発、提供していくことだ。それが文化成長に貢献する三技協が担う役割であることを再認識した。  登壇した両名の社会の課題解決に向かう学ぶべき姿勢と合わせ、是非社内に浸透させたい。

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